モルディブのターコイズブルーの海の下には、地球上でも屈指の豊かな海の世界が広がっています。どの環礁もサンゴ礁に囲まれ、ウミガメ、マンタ、サメ、イルカ、そして数えきれないほどのカラフルな魚たちが暮らしています。多くのゲストは、リゾートから一歩も出ることなく、島を囲むハウスリーフでシュノーケリングをするだけでこうした生き物に出会えます。このガイドでは、出会える可能性の高い生き物と、あなたにも生き物にも心地よい、シンプルな観察のコツをご紹介します。
サンゴが築いた世界

モルディブはサンゴでできた国です。それぞれの環礁はサンゴ礁と砂の島が輪のように連なったもので、内側には穏やかなラグーン、外側には深い外洋が広がります。政府の調査によると、モルディブの海には280種以上の造礁サンゴと、優に1,000種を超える魚が記録されており、さらにサメ、エイ、ウミガメ、イルカ、クジラも暮らしています。
すべての中心にあるのがサンゴ礁です。サンゴはすみかと食べ物を与え、小さな魚が大きな魚を呼び寄せ、サンゴ礁の間の水路は外洋から栄養豊かな海水を運び込みます。だからこそ、水面近くで、しかもビーチからほんのひと泳ぎの場所で、これほど多くの生き物に出会えるのです。
ウミガメ

ウミガメはモルディブで最も人気のある生き物のひとつで、世界に7種いるウミガメのうち5種がここで見られます。特に出会いやすいのは、海草や藻を食べるアオウミガメと、とがったくちばしと模様の美しい甲羅が特徴で、サンゴ礁の海綿を食べるタイマイの2種です。
ウミガメはよくサンゴ礁の上で休んだり、呼吸のためにゆっくり水面へ上がってきたりします。ハウスリーフでシュノーケリングをすると頻繁に出会え、リゾートのガイドはたいてい彼らのお気に入りの場所を知っています。
モルディブではウミガメは保護されています。十分な距離をとり、決して触ったり追いかけたりせず、水面に上がってくるウミガメを取り囲まないようにしましょう。そうすれば、怖がらずに呼吸ができます。そっとしておけば、ウミガメはあなたが見ている前でも食事を続けてくれることがよくあります。
マンタ

マンタはモルディブ屈指のハイライトで、モルディブの海には世界的にも重要なナンヨウマンタの個体群が暮らしています。大きく優雅な「翼」を広げ、まるで水中を飛んでいるかのようです。
マンタは、小さな魚が体をきれいにしてくれるサンゴの場所、クリーニングステーションを訪れ、プランクトンの豊富な海域に集まって食事をします。多くのリゾートがマンタのシュノーケリングツアーやダイビングツアーを催行しており、ガイドは最近の目撃情報をもとにポイントを選びます。
モルディブで活動する研究団体 Manta Trust は、マンタ観察の行動規範を定めています。ポイントはシンプルです。静かに入水し、フィンは水面より下に保ち、じっとしてマンタのほうから近づいてくるのを待ちましょう。クリーニングステーションの上を泳がず、横に控えることも大切です。マンタを追いかけたり触ったりせず、進路をふさがないでください。入水前にガイドがブリーフィングをしてくれます。
ジンベエザメ

ジンベエザメは海で最も大きな魚であり、最もおだやかな魚のひとつでもあります。プランクトンや小魚を食べ、大きな口を開けたままゆっくりと泳ぎます。体は淡い斑点模様に覆われ、その模様は一匹ごとに異なります。
モルディブの海では一年を通してジンベエザメに出会うことができ、よく姿を見せることで知られるエリアもあります。出会いの多くは、ツアーに参加してシュノーケリングをしているときです。
モルディブには、ジンベエザメとの遭遇に関する国のルールがあります。泳ぐ人は体と尾から決められた距離を保ち、落ち着いて近づき、正面ではなく横にいること、そしてジンベエザメに触る、つかまる、餌を与えることは禁止されています。フラッシュ撮影、自撮り棒、強いライトも使用できず、同時に近づけるボートの数も限られています。詳しくはボートの上でガイドが説明します。
リーフシャーク

初めてサメを見るとドキドキするかもしれませんが、モルディブで出会うのは、人を警戒するリーフシャークがほとんどです。ツマグロは浅いラグーンを、ときにはビーチのすぐ近くまで回遊し、ネムリブカは砂地や岩棚の下で休んでいます。オグロメジロザメは、水路でダイバーが目にすることが多いサメです。
2010年からモルディブの全海域でサメ漁が禁止されており、サメが健全に暮らしていることはサンゴ礁が健康であることの証です。離れた場所から落ち着いて観察し、決して餌を与えず、ガイドのアドバイスに従いましょう。
イルカ

モルディブの海には、数種類のクジラやイルカが暮らしています。イルカはたいていボートの上から見られ、水面から跳ねる姿を目にすることもよくあります。多くのリゾートが、イルカを探すサンセットクルーズを用意しています。
イルカはボートの上から観察し、追いかけたり一緒に泳ごうとしたりしないでください。腕の良いクルーは速度を落とし、どこまで近づくかはイルカに任せます。
サンゴ礁の魚とそのほかの生き物

大きな生き物がいなくても、サンゴ礁は色彩にあふれています。たとえば、こんな生き物に出会えるかもしれません。
- サンゴをかじり、白い砂を生み出す手助けをしているブダイ
- 鮮やかな黄色や青のチョウチョウウオやヤッコ
- イソギンチャクにすむクマノミ
- サンゴ礁の穴から顔をのぞかせるウツボ
- 周りに合わせて体の色を変えるタコ
- 砂地の上をすべるように泳ぐアカエイやマダラトビエイ
よく見ると、小さなエビやカニ、ヒトデ、そして水中写真家に大人気のカラフルなウミウシも見つかります。
海の生き物を思いやりをもって観察する

いくつかのシンプルな習慣で、どの出会いも生き物とあなたにとってより良いものになります。
- 見るだけで、触らない。 触れると、生き物や彼らがすむサンゴを傷つけるおそれがあります。
- 距離を保つ。 こちらから近づくのではなく、生き物のほうから来るのを待ちましょう。
- 追いかけたり、進路をふさいだりしない。 特に水面では注意しましょう。
- 餌を与えない。 魚やサメ、そのほかの生き物にも与えないでください。
- マンタやジンベエザメにはフラッシュ撮影を控える。
- サンゴの上に立たない。 フィンもサンゴ礁から離しておきましょう。
- サンゴにやさしい日焼け止めを使い、ごみはすべて持ち帰りましょう。
モルディブでは、ウミガメ、エイ、ジンベエザメなど多くの生き物が法律で守られており、サメ漁は禁止されています。ガイドのブリーフィングに従うことが、ルールを守るいちばん簡単な方法です。
休暇中に海の生き物に出会うには
まずはリゾートを囲むハウスリーフから始めるのがいちばん手軽です。多くのリゾートがガイド付きシュノーケリングを用意しており、ベストスポットを見つけたり、見た生き物について学んだりできます。海洋生物学者が常駐し、レクチャーやシュノーケリングツアーを行っているリゾートもあります。
マンタ、ジンベエザメ、イルカを見たいなら、リゾートのマリンスポーツセンターやダイブセンターでツアーについて尋ねてみましょう。野生の生き物はあくまで野生で、必ず会えるという保証はありません。毎回ちがう出会いがあることも、魅力のひとつです。
海の生き物が旅の大きな目的なら、お問い合わせの際にぜひお知らせください。健やかなサンゴ礁があり、ご希望に合ったツアーのある厳選リゾートをご提案します。詳しくは、モルディブのシュノーケリングと環礁別のダイビングポイントのガイドもご覧ください。
チェックリスト
- まずはガイドと一緒にハウスリーフでシュノーケリング
- マンタ、ジンベエザメ、イルカのツアーについてリゾートに確認
- サンゴにやさしい日焼け止めを持参
- 距離を保ち、生き物のほうから近づいてくるのを待つ
- 海の生き物に触らない、追わない、餌を与えない、進路をふさがない
- マンタやジンベエザメの近くではフラッシュをオフに
- ブリーフィングはいつもしっかり聞く
よくある質問
モルディブでウミガメは見られますか?
はい。アオウミガメやタイマイは、ハウスリーフでのシュノーケリング中によく見られます。リゾートのガイドが、ウミガメがよく食事をしたり休んだりする場所を教えてくれます。
モルディブのサメは危険ですか?
ゲストがよく目にするツマグロやネムリブカなどのリーフシャークは、人を警戒しています。離れた場所から落ち着いて観察し、ガイドのアドバイスに従いましょう。
ジンベエザメと一緒に泳げますか?
はい。ジンベエザメは、ツアーでのシュノーケリング中によく見られます。モルディブには、決められた距離を保つことやジンベエザメに触れないことなど、遭遇時のルールがあります。ガイドが説明してくれます。
マンタはどこで見られますか?
マンタは、モルディブ各地のクリーニングステーションや餌場を訪れます。リゾートのダイブセンターやマリンスポーツセンターで、マンタツアーについて尋ねてみましょう。
イルカには必ず会えますか?
イルカはサンセットクルーズなどのボートツアーでよく見られますが、野生の生き物なので、必ず会えるという保証はありません。
魚に触ったり、餌をあげたりしてもいいですか?
いいえ。海の生き物に触ったり餌を与えたりすると、生き物やサンゴ礁を傷つけるおそれがあります。眺めて、楽しんで、写真を撮るだけにして、生き物をそっとしておきましょう。


